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読んだ本: 2008年12月 Archive
祐巳・祥子編とうとう終幕『マリア様がみてる ハロー グッバイ』
『マリア様がみてるハローグッバイ』は予想通り卒業式話でした。『卒業前小景』で卒業式前日まで描いてしまったのだからあとは卒業式しかないのですが。
終わってみると綺麗にまとめたな、という感慨にふけってしまいます。この一冊に限れば、以前からのキャラクターやあまり登場していなかったキャラクターがそれまでに出てきた要素を元にまとめ上げてくれた、という印象。由乃さんがギャグ担当にされてしまってます。
きっちりと祥子と令の卒業、由乃のロザリオ贈呈、そしてラストで「紅薔薇さま」になった祐巳まで描かれていました。満足満足。これでシリーズ途中で「いつまで引き延ばす気だ!」ってことにならなかったらなあ。
以下今後についての妄想。
『彩雲国物語 黒蝶は檻にとらわれる』において完結に向けて動いている件
ずっとだらだらと続いていくかと思っていた彩雲国物語が、まさかの伏線消化に入っていてびっくりしてしましました。今は紅家編だけど、これから黄家編とか黒家編とか白家編といった具合に進んでいき、八仙全員集合&大団円と思ったら、まさかの内乱フラグですよ。このままだとあと2~3巻で完結しちゃいそうですよ。売れてるのは間違いないから引き延ばしに引き延ばして(今だってそうとう引き延ばしてる)「いい加減にしろ」などと言われながら20巻以上になるものだと思ってました。
角川書店の紹介文が信用ならないのはいつものこととはいえ、紅姓官吏出仕拒否なんかどうでもいいよね、な展開。ところで、表紙で清雅は何してるんですか。
初期からのキャラクターは邵可父ちゃん以外いいところなしな状態。絳攸は使えないし楸瑛は空気と化してしまい、静蘭は限界が見えてしまいました。王様がんばったけど疲れちゃったんだろうなあ。でもそこで誘惑に負けたらおしまいですよ、ってな選択をしやがりました。王様の努力はわかるんだけどねえ。そこで誘惑に負けるのもわかるんだけどねえ。
清雅はサドデレの片鱗を見せてくれたし、長官は長官で仕事人間なところがよいですよ。この二人の株が私の中で急上昇中です。
以下ネタバレと妄想炸裂
『アンゲルゼ 永遠の君に誓う』切なく感動の最終巻
感染症「天使病」と天使病発症者が変貌した種族「アンゲルゼ」によって人類が追い詰められた世界において、少年に心を残しながらも「特別」だということに苦悩し選択する少女と、少女への思いを自覚し長い道のりを歩む覚悟をした少年の恋物語。
著者の須賀しのぶさんのブログで「全5巻の予定が4巻で完結することになった」という内容が書き込まれたのを読み、「ええ! なんで?」と愕然としたのを覚えています。ついでに11月発売のライトノベルで「これは切り上げ完結だなあ」というのが二冊続いたのでビクビクしていました。
確かに「あと1巻欲しい」「二分割したほうがいい」と思わせてくれる内容でしたが、それでも大満足でした。レジデント初期研修用資料のmedtoolzさんが前半を購入したまま積んでると知って、Twitterで「ぜひ読みましょう」コールしてしまうぐらい。10冊オーバーのライトノベルが当たり前な状態で、4冊だと人に勧めやすいですね。
「特別」であることを描くライトノベルは山ほどあるけど、「特別」であることで「異形」となり、「社会」から「いじめ」という形ではじかれていく様を描くライトノベルはそうそうない。それでも「社会」を愛し、「社会」を守るために「社会」から離れていく選択をした陽菜の強さはすばらしいです。1巻のころから比べると格段に強くなりました。
売り上げがよくないらしいというのはファンにとっては悩みどころ。「流血は受けないのかなあ」とか「少女小説を含むライトノベルにおいては組織の論理に従わざるを得ない展開は反発食らうのかなあ」なんて思ってしまいました。でもそういうものがあるからこそ、有紗に対する湊の思いと、それを欺瞞だと言う敷島の言葉が栄えるんだと思うんですよ。
大満足なんだけど、それでも「ああ、ここが知りたかった! 見たかった!!」というのは山ほどあります。第二部書いて欲しいぐらい。ただ、第二部できたらほんとに「血と硝煙の臭いしかしない殺戮の嵐」になりそうです。でも死体の山の上で行われる再開シーンは読みたい。ものすごく読みたい。切実に読みたい。これ以上とない余韻を残した美しい終わり方だとはわかっていても、それでも読みたいと思うのはファンの業ですよね。
以下、エピローグまで読んだ上でのもーちゃんへのエール。ネタバレ満載です。
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