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書籍・雑誌: 2007年7月 Archive
「インド式計算ドリル」が流行ってるらしい
YOMIURI ONLINEによると、今年3月に『インド式計算ドリル―九九を卒業した人みんなに贈る魔法の計算トレーニング』を出した晋遊舎が、『頭が良くなるインド式計算ドリル』を出したKKベストセラーズと『インド式東大生が教える!超計算ドリル』を出したメディアボーイに対して、タイトルや表紙があまりに類似しているとして販売中止を求める抗議書を送りました。
Amazonには晋遊舎の『インド式計算ドリル』とKKベストセラーズの『頭が良くなるインド式計算ドリル』しか表紙画像がないのですが
似てる? 私は似てないと思うけどなあ。似てる似てない論は泥沼になりますけど。
晋遊舎は明らかに著作権法に違反する
と主張していますが、残念、タイトルに著作権は主張できません。主張するなら商標です。特許庁の初心者向け商標検索で探してみましたが、「インド式」は「インド式ヘッドヒーリング」が登録されてるぐらいだなあ。槇原敬之の「印度式」を思い出しちゃった。
『インド式計算ドリル』は20万部、類似本約20冊ということだけど、「インド式」な算数本は17冊ぐらいしか見つからなかった。検索方法間違ってるかなあ。
それにしても、「インド式」で検索すると「超インド式」とか「元祖インド式」とか出てきました。そのうち「本家インド式」とか「古代インド式」とか出てきそうだ。……もうかけ算2.0でいいよ。
DSで小説を読む
以前に電撃DS文庫や『一度は読んでおきたい日本文学100選』の紹介をしたことがあるんですが、万来堂日記2ndで『DS図書館 世界名作&推理小説&怪談&文豪』『齋藤孝のDSで読む三色ボールペン名作塾』が紹介されていました。
『DS図書館』はアンデルセンから小栗虫太郎まで、いわゆる「名作」と呼ばれるものが120篇入っています。しおり機能はあるけど、あまり特徴的な機能はなさそう。
『齋藤孝のDSで読む三色ボールペン名作塾』は日本文学30篇。線を引いたりメモを書いたり何故か日本語ドリルもついてきます。線を引いたところの評価もできますけど、三色ボールペンメソッド(って言うんだっけ?)は評価なんてするもんじゃないと思うんだけどなあ。
今のところ、DS書き下ろしはみあたらないかな。
万来堂日記2ndの旅鳥さんも書いてるけど、Σブックやリブリエのような専用端末ではなくてDSで書籍ソフトという方向もあるかな。電子書籍専用端末は中国での書籍需要(森林資源が足りなくなりかねない)を見込んだという話もありますのでなくなる方向には行かないと思いますけど。
Googleブック検索に日本の有名小説の翻訳が登録されている
先日始まったGoogle ブック検索日本語版、ちょこちょこと使ってはいるのですが、登録されている日本語の書籍でプレビュー可能なものはあまり多くなく、大手出版社(講談社とか小学館とか集英社とか角川書店とか文藝春秋社ね)は全く見当たりません。非常に残念。あと、使用言語や出版国で絞込みができればいいんだけど(けっこう中国語がひっかかる)。
で、ある事柄を探していたたところ、宮部みゆきの『模倣犯』中国語訳がひっかかってきました。ためしとばかりにinauthor:Miyuki Miyabeで検索すると、『クロスファイア』『R.P.G.』『火車』の英訳も入っていたことがわかりました。他にも、桐野夏生の『Out』英訳版なんかも部分プレビューの対象。
出版社側としては「無料で飛ばし読みされて満足されても困る」という理由でなかなかプレビュー許可は難しいんでしょうけど。欧米や中国はわりとGoogleブック検索について出版社に理解されてるのかな。
自費出版トラブルで新風舎が提訴された
asahi.comに自費出版でトラブル相次ぐ「本屋に並ぶと思ったのに」という記事が掲載されました。asahi.comの記事では固有名詞が除かれていて一般論になってしまってましたが、YOMIURI ONLINEでは元教授ら自費出版「新風舎」提訴、一部書店しか本出回らずと、提訴されたのは新風舎であることが明記されています。
俺と100冊の成功本で名前が出ている元教授の自費出版本が紹介されてます。Amazonや楽天ブックスで売られてるんですね、って、たいていの自費出版本はちゃんと書籍流通に乗るから、ネット書店でも売られるんだけどね。
自費出版がらみでは以前に脅迫文送りつけたら自費出版物が売れるほど世の中甘くないという記事を書いたことがあります。そこでも紹介したのですが、のべるのぶろぐの自費出版の本が売れる訳ない!という記事で書店に自費出版本が配本されたときの反応が紹介されています。
そんな中、なんか造りの安っぽい本が一冊二冊入ってくる。出版社を見て納得。「ああ、自費出版か」
そして即返。陳列せずに即座に返品の略である。
もしタイトルを見て、ひょっとしたら売れるかもと思ったら、一応新刊棚に刺してみる(数も少ないし平積み・面陳は無理)。で、一週間くらいして「案の定売れなかったな」で返品。
出版点数が約7万点というこのご時勢、書店だって売れそうにない本を並べておく余裕なんかないようです。黙っていて「本屋に並ぶと思ったのに」では並びません。たとえ書店に個別営業をかけて並んだとしても、普通の出版物でさえ一週間で返品がありえるぐらい。売れる方が「まちがっている」。
ネット上では自費出版ビジネスにひっかかって無駄な夢を膨らませて敗れ去る話が何度か話題になってますが、そういう認識はなかなか外には広まらんのですね。
自費出版ビジネスそのものを否定するわけではありません。売れなくても「本を出した」という満足感を得たい人、出版物という形で後世に残しておきたいものがある人が、資金回収どころか全額無駄になるつもりで自費出版するものでしょう。
提訴された新風舎がどんな調子のいいことを言って世間知らずの元教授らに金を出させる気にさせたのかがわからないので彼らを責めてはいけないのでしょうけど、「本は売れない」ということがもっと知られないといけないのかな、と思います。
集英社文庫版『人間失格』が小畑健イラスト新カバーに
ekken: 集英社文庫版「人間失格」の表紙に驚くで、あの中高生が読んだ後に主人公に共感しすぎて絶望して自殺しかねない(ただし実行するやつはいない)とまでいわれる太宰治『人間失格』のカバーが、DEATH NOTEを描いた小畑健による描き下ろしイラストに変更していたとありました。
Amazon.co.jpは旧版表紙ですが、セブンアンドワイ
には新しい表紙が入ってました。
小畑絵でガクラン少年だと、「夜神月?」と思っちゃいます。
中学高校のクラスに、必ず一人や二人いる、世間を知ったような顔をしたメガネ君が「今のオレは本当のオレじゃない。誰もオレをわかってくれない」とかなんとかぶつぶつ呟きながら、「ハタチになる前に死んでしまいたい」などと妙な死への願望を抱きつつ、実は絶対死なないようなヤツが、その題名に惹かれて思わず手にとって、寝る前に読み始めちゃう本だよ?
で、何故だか知らないけど葉蔵(主人公の名)に共感を覚えたりして、「ここにオレがいる!」とかなんとかワケのわからないことを言いながら、こんな人間にはなりたくないと何とか自分を変えようと頑張れれば良いけど、そうはならなかったらその先悲惨な人生を歩んだりするような本だよ!
そんな本の表紙を自社お抱えの人気漫画家に描かせちゃダメだ!
いや、はしかは若いうちにかかっておいたほうがいいです。とはいえ、「新世界の神になる!」と言っちゃいかねないのが問題かも。
書店用ポップに「生」への苦悩が生んだ太宰文学の最高峰! この絶望を読まずして未来への希望は語れない
などと書いてありましたが、やー、これ読んじゃって未来への希望が語れる人はどのくらい残るんだろうか。
とりあえず治療用に『“文学少女”と死にたがりの道化』を置いておきますね。
エンターブレイン (2006/04/28)
売り上げランキング: 21878
最近のAmazon、ライトノベルの書影が入らなかったり検索がおかしかったり
少女文庫ニュースのためにAmazonの書影を使っているのですが、6月下旬発売の書影が入らなくて困っています。全て入らないわけじゃなくて、『マリア様がみてる フレーム オブ マインド』や『少年陰陽師 果てなき誓いを刻み込め』、『愛玩王子』等、おそらく出版社一押し新刊はちゃんと入っています。X文庫ホワイトハートは全部書影が登録されています。私的ファイル deltazulu 記録再開によると、MF文庫Jやスーパーダッシュ文庫の6月新刊の書影が全滅、ファンタジア文庫は『Dクラッカーズ 3』が入ってない状態だとか。
出版社側が著作権がらみの大人の事情で他者に書影を使わせるAmazonへの画像提供を中止しているとも考えられます。ボーイズラブ系やコミックの一部でも書影が出てこないものがありました。
これとは関係ないと思いたいのですが、確認しようと「Dクラッカーズ」でAmazon商品検索したら、ファンタジア文庫版は『Dクラッカーズ 2』しか出てこない罠。「MF文庫J」や「スーパーダッシュ文庫」で検索して「出版年月が新しい順番」にソートしたら6月新刊が2つしか出てきませんよなんてことだ。
Amazonに何事か起きたとみたほうがいいのかもしれません。
とはいってもbk1は7月7日にシステムリニューアルを控えているので、終わるまでは使う気になれないんだよな。
追記(2007/07/04):商品検索はだいたい入るようになったみたい。
Amazon.co.jp 2007年上半期Bookランキング発表
Amazon.co.jpが2007年上半期(2006年12月1日~2007年5月31日)の書籍ランキングを発表しました。
和書総合トップ10は以下のとおり。
- 田中宥久子『田中宥久子の造顔マッサージ (DVD付)』
- Micaco『インスパイリング・エクササイズ(DVD付)』
- 二ノ宮知子『のだめカンタービレ #17 (17)』
- 奈須きのこ『DDD 1』
- 谷川流『涼宮ハルヒの分裂』
- 石井裕之『「心のブレーキ」の外し方~仕事とプライベートに効く7つの心理セラピー~』
- 荒川弘『鋼の錬金術師 16 (16)』
- あずまきよひこ『よつばと! (6)』
- アル・ゴア『不都合な真実』
- 平秀信『年俸5億円の社長が書いた 儲かる会社のすごい裏ワザ』
美顔とエクセサイズが1位2位というあたり、Amazonの利用者層が変わってしまったんだろうなあ。「中年女性で美容やダイエットに興味があるけどリアル書店には足を運ばない人たち」なのかしら。
のだめ人気はすごいですが、ハルヒよりDDDというのは考えたことがありませんでした。
ライトノベルだけのランキングトップ10は以下のとおり。
- 谷川流『涼宮ハルヒの分裂』
- ヤマグチノボル『ゼロの使い魔〈10〉イーヴァルディの勇者』
- 田中芳樹『暗黒神殿 アルスラーン戦記12』
- 賀東招二『つどうメイク・マイ・デイ』
- 高橋弥七郎『灼眼のシャナ 14 (14)』
- 今野緒雪『マリア様がみてる―クリスクロス』
- 雪乃紗衣『彩雲国物語―青嵐にゆれる月草』
- 榊一郎『神曲奏界ポリフォニカ クリムゾン シリーズ4巻 限定BOXセット【特典・オリジナルストラップ付き】』
- 水野良『新ロードス島戦記〈6〉終末の邪教〈下〉』
- 紅玉いづき『ミミズクと夜の王』
ハルヒ、ゼロ、シャナ、マリみて、彩雲国、ポリフォニカあたりは、今元気なライトノベルシリーズといえるかと。アルスラーンとロードスは昔取った杵柄ですね。
それにしても『ミミズクと夜の王』がここに食い込んでくるとは。
DDDなど講談社BOXの書籍は「ライトノベル」ではないもよう。どういう基準で選定してるんでしょうね。
『ドラッケンフェルズ』新訳で復活と続編の翻訳決定
TRPG.NETに10月よりD&Dリプレイとウォーハンマー小説がHJ文庫で展開というプレスリリースが掲載されました。
株式会社ホビージャパンは本日の「HJ文庫一周年記念&HJノベル大賞授与式パーティー」におきまして、HJ文庫に『ダンジョンズ&ドラゴンズ』のリプレイ作品と、『ウォーハンマー・ノベル』をラインナップとして追加することを発表いたしました。
これらの第一弾の発売は、10月を予定しております。
(中略)
『ウォーハンマー・ノベル』は、タイトルが「Drachenfels」「Genevieve Undead」「Beasts in Velvet」の3篇です。これらはジャック・ヨーヴィル作で、キム・ ニューマンの名前で吸血鬼三部作と言われるタイトルの著作者でもあり、人気 のあるシリーズの翻訳となります。翻訳は「ウォーハンマーRPG」シリーズの翻訳ですでに高い評価を得ている待兼 音二郎が担当しております。
『ドラッケンフェルズ』は角川から安田均・笠井道子訳で出版されたことがあります(絶版)。『ドラッケンフェルズ』だけ訳されただけでしたけど。今回の発表は、少なくとも3作は訳されるということですね。「Silver Nails」はどうなるんだ?(2007/12/21追記:『ウォーハンマーノベル シルバーネイル』は2008年2月発売予定)
洋書版も入手困難になってますけど、4作を1冊にまとめた『The Vampire Genevieve』が出ています。
ホビージャパンから出ることになったのは、『ウォーハンマーRPG』の発売のおかげもあるんでしょうね。
ちなみに、吸血鬼三部作というのは創元推理文庫から出ていた『ドラキュラ紀元』『ドラキュラ戦記』『ドラキュラ崩御』のことです(絶版)。
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