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『彩雲国物語 黄粱の夢』を読んで思った「こんな過去編が欲しい」

彩雲国物語  黄粱の夢 (角川ビーンズ文庫) (文庫)

彩雲国物語 黄粱の夢』は、清苑公子流罪の顛末を描いた「鈴蘭の咲く頃に」、燕青が殺刃賊を壊滅させた「空の青、風の呼ぶ声」と、書き下ろしの、薔薇姫暗殺を行おうとしてお持ち帰りしてしまった一件の「千一夜」の過去編三編収録の短編集です。手に持ったら分厚くてびっくりしました。これは「鈴蘭の咲く頃に」「空の青、風の呼ぶ声」だけで一冊にしてもよかったんじゃ?

静蘭と燕青をセットにするために後回しにされた未収録短編があるとあとがきにありましたが、未収録短編って、ザ・ビーンズ vol.8掲載の「深き眠りの水底で」と彩雲国物語 絵巻および彩雲国物語 絵巻 2に掲載の掌編二編、まだ前編しか公開されていない「運命が出会う夜」だったっけ? 本編もですが過去編も重たい展開のものが続いているので、軽めの笑える短編がそろそろ欲しいな、と思うようになりました。なにせ過去編ばっかりだと「深き眠りの水底で」が浮く。

それはともかく、書き下ろしの「千一夜」を読んで、「こんな過去編があったらなあ」と思うのを、著者の力量やレーベルカラー度外視で書き連ねてみます。

縉華王戦記
先代の黒狼をはじめ今なお残る宮廷の重鎮たちをどう使いどう天下取りしたのかという話は、ファンタジー政治劇やファンタジー戦記もの大好きな私にとってとてもとても読んでみたい主題なんですが、思いっきりビーンズ文庫の枠を超えてしまうし、一冊じゃ終わらんのがわかりきってます。
縉華と黒狼と旺季の話
「縉華王戦記」と関連して。名君にして覇王な縉華が、どうして恋を実らすことができなかったのか、ってのは興味深いテーマです。正式な妃(正妃だけでなく貴妃など四夫人九嬪含め)を持たなかったほど引きずったんだから、そうとう何かあったはず。
うーさまの話
今回書き下ろしの「千一夜」で、うーさまが縹家を出て宮廷に仕えるに当たって一悶着あったとしか思えない記述がありました。ほんと、なにがあったんだろ。
英姫と鴛洵と瑤璇の話
英姫ばーちゃんも縹家から出て行った人なんで、当然のように一悶着があったでしょうし、それに鴛洵と瑤璇が絡んでるのも確実。特に鴛洵、なにやらかしたんだ?
楸瑛初恋話
「初恋は長兄の妻になった玉華」という話は本編中にちらほらと出てましたが、楸瑛を振って雪那を選んだ経緯には「地獄の沙汰も君しだい」(『隣の百合は白』書き下ろし)並の裏事情があるような気がびしばしとしています。

......やっぱ過去編は重くなりがちだなあ。

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