朝日ノベルズというマイナーレーベルなせいか、あるいは吉岡平さんが過去の人と見なされているせいか、あるいは想定読者層が「時代劇をギャグとして楽しめる人」というニッチすぎるあたりにあるせいか、いまひとつ話題になってない『エンブレムは葵! カレシは征夷大将軍!?』。想像以上にバカ小説でした。
徳川の治世が400年続く現代日本では、次の将軍を巡る様々な陰謀が繰り広げられていた。そんな時節に御三卿の一つ、田安家のプリンスの暗殺未遂事件が起きる。その時、たまたま現場に居合わせた羊羹屋の娘とプリンスとの間に、身分違いの恋愛感情が生まれてしまった。果たして二人の恋の行方は? そして新たな将軍は誰に!? 著者渾身の架空歴史小説!
そんな真面目な話ではありません。くノ一がいて、将軍選びの老中会議はゴルフ場。切腹が行われ、鷹狩りにランドクルーザーで参加し、田安邸の特設スタジオでロックコンサート。田安邸跡地が今何になってるか知らなかったので驚きました。
武家キャラクターの時代劇的な台詞回しと、ヒロインのビッチな発言と行動。思いっきり読む人を選ぶ作品です。「ご禁制のサブマシンガン」など、今あるものを江戸時代の価値観で言い表しているところが思いっきり異化作用を起こしてるわけですが、「ちょ、それは!!」と思ったのは
『田安家の次男坊は、ダサい防弾チョッキを着てロックをひやかしwwww』と、匿名掲示板で末代までの物笑いの胤よ
草生えてるし! 縦書きで草生えてるの初めて見たよ!!
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