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2009年2月 Archive
「もしも幕藩体制が現代まで続いていたら」なバカ小説『エンブレムは葵! カレシは征夷大将軍!?』
朝日ノベルズというマイナーレーベルなせいか、あるいは吉岡平さんが過去の人と見なされているせいか、あるいは想定読者層が「時代劇をギャグとして楽しめる人」というニッチすぎるあたりにあるせいか、いまひとつ話題になってない『エンブレムは葵! カレシは征夷大将軍!?』。想像以上にバカ小説でした。
徳川の治世が400年続く現代日本では、次の将軍を巡る様々な陰謀が繰り広げられていた。そんな時節に御三卿の一つ、田安家のプリンスの暗殺未遂事件が起きる。その時、たまたま現場に居合わせた羊羹屋の娘とプリンスとの間に、身分違いの恋愛感情が生まれてしまった。果たして二人の恋の行方は? そして新たな将軍は誰に!? 著者渾身の架空歴史小説!
そんな真面目な話ではありません。くノ一がいて、将軍選びの老中会議はゴルフ場。切腹が行われ、鷹狩りにランドクルーザーで参加し、田安邸の特設スタジオでロックコンサート。田安邸跡地が今何になってるか知らなかったので驚きました。
武家キャラクターの時代劇的な台詞回しと、ヒロインのビッチな発言と行動。思いっきり読む人を選ぶ作品です。「ご禁制のサブマシンガン」など、今あるものを江戸時代の価値観で言い表しているところが思いっきり異化作用を起こしてるわけですが、「ちょ、それは!!」と思ったのは
『田安家の次男坊は、ダサい防弾チョッキを着てロックをひやかしwwww』と、匿名掲示板で末代までの物笑いの胤よ
草生えてるし! 縦書きで草生えてるの初めて見たよ!!
リアルって何ですか? ミニブログ?
INTERNET Watchに「mixiって何ですか?」大分県の現役高校生が語るケータイ事情という、高校生に携帯電話利用について尋ねた記事が掲載されていたのですが、中にこんな発言が。
(今流行っているものは)今の自分の状況をサイト上に書き込める「リアル」で、「今からお風呂」とかリアルタイムに自分の状況を書き込んでいくんです。今はホームページよりもリアルをやる方が多く、友だちもほとんど使っています。
「リアル」って何なの? Twitter? って思ったら、はてなブックマークについたコメントによると、CROOZリアルというサービスがあるみたい。絵文字が使えるし、数行にわたった発言も可能、っていうか携帯電話の画面的に数単語で改行しないと使いにくいという特性にみあった使われ方がなされてます。
一度会員登録すると「リアル」は10個まで作成できます。「裏リアル」ができるわけだ。
Twitterみたいな、フォローユーザーのひとことが一覧できる機能はないですが、コメント機能は存在します。
「プロフ」が前略プロフィールだけじゃないように、ケータイブログで「リアル」と呼ばれてるものがあるみたい。Twitterや同様のミニブログもみんな「リアル」なんだろうか。そういえば「CROOZリアル」の運営元CROOZもCROOZプロフってのを持ってました。
神田精養軒、シェ・コパンら、自己破産申請へ
帝国データバンク大型倒産速報によると、マドレーヌが有名な神田精養軒や、ニューヨークチーズケーキが話題のシェ・コパンなどを傘下に持つ第一経営が事業停止し自己破産申請に向けての準備を開始しました。
神田精養軒やシェ・コパンのサイトは空っぽページが出てくるようになり、神田精養軒楽天市場店はトップページだけは表示できても商品ページを見ようとすると「店舗の改装中です」表示です。「事業停止」ってことはこのまま閉店なのかなあ。
この報道で神田精養軒が上野精養軒と資本関係が切れていると初めて知りました。asahi.comによると、経営不振で第一経営の子会社となったが、原材料費高騰、消費低迷、買収にかかる借入増大などで第一経営自身の業績が悪化したらしい。
神田精養軒やシェ・コパンって、たしか結構デパート地下に売り場を持ってたような気がするんですが、どうなってるんでしょうね。
今日はSFCG(旧・商工ファンド)が民事再生法適用申請するし、三月末までの1ヶ月ぐらいは倒産の話題がいっぱい出るんでしょうか。
2009年2月16日から2月22日に読んだ本
メンバーの逮捕でCDが出荷停止になった「はっぴいえんど」
元はっぴいえんどのギタリスト鈴木茂容疑者が大麻を隠し持っていたとして2月17日に大麻取締法違反の現行犯で逮捕されました(via MSN産経ニュース)。それを受けて、レコード会社のポニーキャニオンが、商品出荷および配信の停止、発売中止のお知らせを出しています。5月発売予定の「はっぴぃえんどLIVE ON STAGE」は発売中止、アルバム「はっぴぃえんど」「風街ろまん」は出荷停止、音楽配信サービスでもはっぴいえんど名義の楽曲は配信停止にするようです。
今は何かあるとすぐ出荷停止になっちゃって、腹立たしいのですが、この件を報じたニュース記事についたはてなブックマークで、槙原のときのsonyは回収までやってたように思いますが勘違いでしたでしょうか
という指摘があったので調べてみたら、槇原敬之が覚せい剤取締法違反容疑で逮捕されたときは商品回収、出荷停止までやったんですね。忘れてた。ちなみに1999年。
その後槇原敬之は執行猶予付きの有罪判決を受け、2000年には活動を再開しています。現在は1999年以前のアルバムも入手できるので、どの時点かで出荷再開したんだと思います。
槇原敬之が出荷再開して、はっぴいえんどが再開しないわけがない。「風街ろまん」は名盤だそうなので、一日も早い出荷再開を願いたいです。
ところで「はっぴいえんど」なのか「はっぴぃえんど」なのかはっきりしないなあ。
『とある飛空士への恋歌』は「『とある飛空士への追憶』の続編」ではない
昨年話題になった『とある飛空士への追憶』と同じ世界を扱った『とある飛空士への恋歌』が発売されました。船ではなく飛行機が発達し、大瀑布が海を分ける世界における飛空士の恋物語。
ただし、登場する国家が全然違うこともあって、「本当に同じ世界なの?」などと思ってしまうことも多々あります。作品のテーマも全く違います。「追憶」が「ローマの休日」なら「恋歌」は「ロミオとジュリエット」。物語の背景にある「風の革命」が、革命政府のぐだぐだっぷりを含めてフランス革命をモデルにしてるのも気になってます。まさかナポレオン出ないよな。
著者の犬村小六さんの別作品『レヴィアタンの恋人』は絶賛積読中なのですが、「追憶」と「恋歌」比べる限り、絵になるシーンを書くのがうまいなあ、と思いました。「追憶」だと別れのシーンがすばらしいですし、「恋歌」でも式典の際に主人公カルエルがニナ・ヴィエントに向ける憎しみの視線や、カルエルが出会った少女を自転車に乗せ、その後転倒してしまうシーンなど。この美しさについてはもう「ぜひ読んでください」としか言えません。
「追憶」で、ギャグの一種としか思えないほどドンビキしたファナの美しさ描写みたいなことはありません、大丈夫。昨日Twitterで話題になったんですけど、ファナの描写は特に女性読者に大不評だったみたい。あれは確かに人間の美しさを語ってるように見えませんでしたからね。色とりどりの花や輝く宝石を愛でているような。実際あの時点のファナは花や宝石、美術品と同価値でしかなかったわけですが。というかそこまで考えてあの描写にしたならすごいなあ。
以下、ネタバレにつき注意。致命的なものは避けました。
2009年2月9日から2月15日に読んだ本
現代と世代交代の相性がよくないんだと思うけど
現代の学園を舞台にした作品は、世代交代の続編を書くのが難しいという記事で、
1990年代終わり以降に現代の学園を舞台にした作品が主流となると、このような続編の作られ方は激減してしまいます。最近のヒット作では「アリソン」と「リリアとトレイズ」くらいではないでしょうか。
という指摘があったのでちょっと気になりました。「アリソン」と「リリアとトレイズ」は現代を舞台にした作品じゃないですよなあ。
giolumさん本人が指摘しているように、「現代」から時間を動かせない
からでしょう。別にライトノベルのことだけじゃなくて、学園ものじゃなくても、一般小説・漫画でも現代を舞台にしたもので世代交代が行われている作品ってあまり見ない。下手するとサザエさん時空に入り込んでしまう。
逆に言えば1980年代後半から1990年代前半のライトノベルのファンタジーやスペースオペラ
がやけに主人公の子供が続編の主人公になっている物語が多かった
ことの方が特異なんじゃないかなあ。
今でもライトノベル近似レーベルだと世代交代した話が出版されています。「スカーレット・ウィザード」の主人公たちの孫が登場する「暁の天使たち」「クラッシュ・ブレイズ」がそう。あ、主人公たち本人が若返って大活躍するんだった。
2009年2月2日から2月8日に読んだ本
イマドキのローティーン向けファッション誌の表紙に圧倒される
久しぶりにスーパーの雑誌コーナー(最近はオーケーストアばっかり使っていて雑誌コーナーがあるスーパーに行ってなかった)に立ち寄ったら、置いてあるローティーン向けファッション誌が「みんな白っぽくてキラキラしていて星が飛んでる」と思ってしまいました。三十路のおばさんにはまぶしすぎる。
うちの娘(今度小学生)は「キラキラしてかぁわいぃーい♥」とお気に召したよう。まだ対象年齢には遠いので買わないけどな!
すみません。どれがどの雑誌かぱっと見ではわかりません。雑誌ロゴが埋もれてるんですけど。
もうひとつ驚いたのが、表紙だけではローティーン向けファッション誌と判別しにくい女児向けゲーム誌「キャラぱふぇ」(アスキー・メディアワークス!)がいつのまにか創刊していたこと。小学館か講談社かと思ってひっくり返したらアスキー・メディアワークスだと知ったときの衝撃をうまく言い表せません。位置づけは「ゲーム誌」なのでアスキー・メディアワークスらしいんですけどね。
そのうち「きゃらぱふぇ」か「ぷっちぐみ」(娘は「ぷっちょぐみ」と発音しやがった。ぷっちょグミと勘違いしていそうだ)あたりを定期購読することになりそうな予感がします。
海外のヤングアダルト小説を、小学館が日本で出すとこうなる
海外のヤングアダルト小説を、早川書房とメディアファクトリーが日本で出すとこうなるという記事があったので、海外ヤングアダルト小説を多く翻訳しているルルル文庫でやってみました。全部やってしまうと大量すぎるので、これはと思ったものを三つ。
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ふわふわと、夢見心地なイラストばかりですね。これが原書だとこうなります。
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おどろおどろしさの方が先にきてしまいます。ビッチっぽい『Boys That Bite』、暗い魔の海を表したような『The Changeling Sea』、ヴィクトリア朝の少女を描いた『At the House of the Magician』と、それぞれ違いますが、雰囲気の違いはわかるかと。
ルルル文庫は書き下ろしメインの少女向けライトノベルレーベルなので、他のラインナップとあわせたイラストにする必要もあります。もちろん翻訳小説である以上問題は中身で、今回上げた3作のうち『ヴァンパイア・キス』は未読ですが、他二つはライトノベルというより少女小説的な翻訳に仕上がっていました。
はてなブックマークのコメントで指摘している人がいるように、ハヤカワ文庫は1970年代から少女漫画家を表紙イラストに採用してだます刊行していました。『たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF)』表紙にだまされた人は多いはずだ(私含む)。
2009年1月26日から2月1日に読んだ本
期間 : 2009年1月26日 ~ 2009年2月1日 読了数 : 14 冊 | |
平坂 読 / メディアファクトリー (2009-01) ★★★★★ 読了日:2009年2月1日 幼馴染ネタは切ない | |
本・雑誌 | 神月 凛 / 角川グループパブリッシング (2009-01-26) 読了日:2009年1月31日 原作2巻部分で完結 いろいろと謎を積み残しにしてるので、あとは原作読めってことか? |
塩川 伸明 / 岩波書店 (2008-11) 読了日:2009年1月31日 | |
アサウラ / 集英社 (2009-01-23) ★★★★☆ 読了日:2009年1月31日 熱い戦い、合間に入るギャグ 問題の産地偽造疑惑ですが、単に採算度外視なだけでした。 | |
三浦 良 / 富士見書房 (2008-10-20) 読了日:2009年1月31日 魔法少女の骨子だけは踏襲している異色作 | |
小田川さなえ / グラフ社 (2008-12-18) 読了日:2009年1月30日 | |
中村 逸郎 / 講談社 (2008-11-19) 読了日:2009年1月30日 | |
瑞山 いつき / 角川グループパブリッシング (2008-12-27) ★★★★★ 読了日:2009年1月30日 ライオンよりカカシの方がいいところ取ってるのはともかく、ラブ大増量。 謎解き巻でもあって、マギと《真実の星》について語られました。これってアフターホロコーストだったんだ。 そしてラドの変節っぷり。マッドサイエンティストはこうでなくっちゃ。 | |
加藤 ジェームズ / 毎日コミュニケーションズ (2008-07-23) 読了日:2009年1月30日 歴史が4分の3ぐらい。残りが地理・公民。 質問とそれに対する10代から50代までの回答、それに関する解説が数ページという構成。 | |
妹尾 ゆふ子 / 幻冬舎 (2008-10-31) 読了日:2009年1月29日 | |
上杉 隆 / 幻冬舎 (2008-07) 読了日:2009年1月29日 マスメディアの談合体質批判だけで一冊にしたもの | |
中里 十 / 小学館 (2008-10-18) 読了日:2009年1月28日 砂糖菓子みたいなお話でした | |
林 亮介 / ソフトバンククリエイティブ (2008-11-15) 読了日:2009年1月27日 | |
ダミアン・トンプソン / 日経BP社 (2008-12-11) 読了日:2009年1月26日 アメリカで話題の疑似科学・疑似史学トピックについて広く浅く。 |
Google「このサイトはコンピュータに損害を与える可能性があります」祭り
この本は関係ないですしおすすめもしません。タイトルがそれっぽかっただけ。
日本時間の2009年1月31日午後11時半頃に、Twitter界隈や私が入っているIRCチャンネルで「Googleがおかしくなっている」と話題になりました。Googleを見ると全ての検索結果に「このサイトはコンピュータに損害を与える可能性があります」というメッセージが表示され、検索結果をクリックすると警告メッセージが出てきてサイトに飛べません。Googleのサービスですら損害を与える可能性が指摘される罠。
わかった直後にスクリーンショットをTumblrに掲載したけど、Flickrに入れておくのを忘れたのでブログに掲載できません。ITmediaやCNET Japanなどにスクリーンショットが掲載されています。
Official Google Blogによると、原因は有害サイトリストの更新の際に人為的ミスで「/」が入ってしまったこと。つまり「世の中全てのインターネットサイトが有害である」と見なされてしまいました。午前6時27分~40分に発生し、7時10分~25分にその問題は修正されました。時間にずれがあるのはミラーサイトの更新タイミング。
「Googleが使えなかったらYahooを見ればいいじゃない?」と言いたいところでしたが、Gmailにも影響は及んでいて、スラッシュドット・ジャパンによると、Gmailに届いたメールにURLが入っていると警告が表示されると共に迷惑メール扱いとなり,本文中のリンクも無効にされてしまった
らしい。確認とれてないけど。
[ぴ] - Google 終了のお知らせ , Google 障害祭りに関する各質問サイトでの状況で、2ちゃんねるでの関連スレッドの立ちっぷりと、各質問サイトでの乱立っぷりがわかります。はてな質問ユーザー落ち着いてるな。
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