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角川つばさ文庫創刊ラインナップ

角川グループが角川つばさ文庫を新創刊して児童文庫レーベルに参入し、初期ラインナップ15作品を発表しました。創刊は3月3日、4月以降は15日発売です。

オリジナルとベストセラー、ノベライズ、ノンフィクション、海外の名作の五本柱。オリジナルは書き下ろしで、ベストセラーというのは人気作品を児童向けに読みやすくしたもの、ノベライズは言うまでもなく。ノンフィクションは児童向けに読みやすくしたものとつばさ文庫オリジナルが交ざってます。海外の名作は翻訳児童書の文庫化みたいなものかな。

オリジナルは4冊。

愛川さくらさんという人を知らないのですが、新人? 検索すると同名のモデルが出てくるんですが。あさのますみさんは声優の浅野真澄さんの執筆・創作活動名義。童話作家としての初の単行本になるのかな。楠木誠一郎さんは時代小説や歴史うんちくの執筆活動を行いながら、講談社青い鳥文庫のタイムスリップ探偵団シリーズを書いています。『きみに贈る つばさ物語』はアンソロジー。

ベストセラーは5冊。

有名作品が多いのであまり説明しませんが、山本文緒さんの『チェリーブラッサム』ってコバルト文庫の『ラブリーをつかまえろ』の改題なのね。知らなかった。『スレイヤーズ1 リナとキメラの魔法戦士』は南房秀久さんによるリライト版。後述の「ノベライズ」に入れた方がいいんじゃ? ナーガとガウリイが同時に登場する展開って本編にはなかったような。

ノベライズは2冊。

どちらも3月公開の劇場版アニメのノベライズ。映画公開あわせとはいえ、「何故これを?」って思いがわいてきます。小説侵略!ケロロ軍曹は既に5作発売されているので、順次つばさ文庫入りするのかな。

ノンフィクションは3冊。

『夢の力こぶ』は書き下ろしです。『電池が切れるまで』は『「電池が切れるまで」の仲間たち―子ども病院物語』著者本人による子供向けのリライト。

海外の名作は1冊。

角川つばさ文庫は「文庫と言いつつサイズは新書」という児童書レーベルのパターンと同一です。

角川グループのプレスリリースによると、刊行予定として次の作品名が上がっています。

  • 宗田理『ぼくらのおばけアパート』
  • 吉橋通夫『蒼き戦記』
  • 越水利江子『恋する新撰組!』
  • 宮部みゆき『ブレイブ・ストーリー』
  • 乙一『KIDS』
  • 谷川流『涼宮ハルヒの憂鬱』
  • 『ゲゲゲの鬼太郎』シリーズ
  • 小菅正夫『あさひやま動物記』
  • 関野吉晴『グレートジャーニー』シリーズ

『ぼくらのおばけアパート』『蒼き戦記』はたぶん書き下ろし。『恋する新撰組!』は書き下ろしなのか越水利江子さんが他社で書いている新撰組ものの改題になるのか不明。

ブレイブ・ストーリー』は今後の目玉になるかと。『KIDS』は『きみにしか聞こえない―CALLING YOU』所収の短編を中心に編み直すのか、映画版ノベライズの『KIDS』になるのか、どちらなんでしょう。『涼宮ハルヒの憂鬱』は、リライトするのかしないのか、といったところが気になります。鬼太郎ノベライズは誰が書くんだ?

『あさひやま動物記』『グレートジャーニー』シリーズは子供向けに書き下ろしとなるでしょう。

そういや「グループ共同児童書レーベル」なわりに、今のところ角川書店、角川学芸出版、富士見書房のコンテンツのようです。アスキー・メディアワークスやエンターブレインがどんな弾を出してくるのかな。

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