『マリア様がみてるハローグッバイ』は予想通り卒業式話でした。『卒業前小景』で卒業式前日まで描いてしまったのだからあとは卒業式しかないのですが。
終わってみると綺麗にまとめたな、という感慨にふけってしまいます。この一冊に限れば、以前からのキャラクターやあまり登場していなかったキャラクターがそれまでに出てきた要素を元にまとめ上げてくれた、という印象。由乃さんがギャグ担当にされてしまってます。
きっちりと祥子と令の卒業、由乃のロザリオ贈呈、そしてラストで「紅薔薇さま」になった祐巳まで描かれていました。満足満足。これでシリーズ途中で「いつまで引き延ばす気だ!」ってことにならなかったらなあ。
以下今後についての妄想。
あとがきにも書かれていましたが、1年半の話を10年8ヶ月なんですね。34冊。改めて思うとすごいわ。ペやグや炎ミラと比べちゃならないけど充分に長い。出版ペースも早いから、巻数がいつのまにか赤川次郎の「吸血鬼」シリーズ超えてるし。
『キラキラまわる』あとがきでも触れられていましたが、最初の方では携帯電話のケの字も出てこなかったのが、今では女子高生たるもの携帯電話なしでは話が始まらなくなってしまいました。携帯電話が話の中心になってしまうようだと「マリみて」じゃなくなってしまいますがまあそれはさておき。
ここでこの世界が終わるわけではありません。形を変えて、お目にかかる事があると思いますので、気が向いたらまたリリアン女学園の物語におつき合いください。
とあるので、「マリア様がみてる」そのものが完結ということではないようです。そういや「雑誌コバルト」に掲載された短編がいくつもそのままになってるなあ。
現在単行本化がなされていない「雑誌コバルト」掲載短編は、記憶が正しければ全て本編に登場しないキャラクターたちによるものだったはず。つまり祐巳や祥子、山百合会のメンバーその他ではない別の女生徒による「マリア様がみてる」は可能、と。今後はそういう展開になっていくのかな?
既に登場している脇役を中心とした話も見てみたいとも思うし(瞳子・祐巳編?)、現在の本編登場キャラクターが忘れ去られた後のリリアン女学園で新しいストーリーが描かれるというのもありかも。
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