書店に行ったら、ビジネス書のスキルアップコーナーの『ビル・ゲイツの面接試験―富士山をどう動かしますか?』だの『地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」』といったものと一緒に『広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由―フェルミのパラドックス』が平積みされていました。題名見ただけで明らかにスキルアップと関係ないのがわかるだろうに。
とはいっても、こういう「書店員の誤り」以外でこの本が積まれることはなかっただろうなあ。
「フェルミのパラドックス」とは、「ドレイクの方程式」と呼ばれる地球外知的文明の存在の程度を推定する式によればそれなりに地球外知的文明が存在するはずなのに、どうして今我々は地球外知的文明と接触していないのだろう、と物理学者のフェルミが抱いた疑問のことです。それについてこの本は50の理由を上げています。ぶっちゃけSFのネタ帳。
解1としていきなり「彼らはもう来ていて、ハンガリー人だと名乗っている」が出てきて「おいおい、のっけっからネタに走るかね」と突っ込んでしまいました。なんでも、フェルミがこの疑問を抱いた時にロスアラモス研究所の同僚(ハンガリー出身)が「彼らはもう我々の間にいて、自分ではハンガリー人だと言ってるんだ」と言ったらしい。な、なんだってー!!
このエピソードについてはともかく、まじめな考察から宗教じみたもの、SF的ネタまでいろいろ取り揃えられています。たいていのネタは既出なんだなあ。
青土社 (2004/06)
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