今年読んだライトノベルを除く書籍は273冊でした。例によって今年読んだ中で私のベスト10を選んでみました。順不同。
- タイアップの歌謡史
- 著者: 速水 健朗
- 発売元: 洋泉社
- レーベル: 新書y
- 発売日: 2007/01
- おすすめ度
日本の歌謡史を「タイアップ」というキーワードでまとめた力作。豊富な引用が売りですが、前に出てきた引用元を「前述書」でまとめてしまうところだけが玉に瑕
- メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学 (光文社新書 (298))
- 著者: 松永 和紀
- 発売元: 光文社
- レーベル: 光文社新書
- 発売日: 2007/04/17
- おすすめ度
今年話題になった健康番組の実験偽装問題や、さんざん話題になった「新しい新事実の発表」のカラクリというものの話題です。今話題のタミフル問題だって、あるある大辞典とあまり変わらないというのが実態なんだよなあ。
- 廃帝綺譚
- 著者: 宇月原 晴明
- 発売元: 中央公論新社
- 発売日: 2007/05
- おすすめ度
『安徳天皇漂海記』を先に読むべきですが、宇月原晴明の紡ぐ血と肉の幻想世界は大好きです。
- 青年のための読書クラブ
- 著者: 桜庭 一樹
- 発売元: 新潮社
- 発売日: 2007/06
- おすすめ度
桜庭一樹の描く、伝統ある花園の一角にひっそりとあるアバンギャルドな空間にようこそ。
- 「世界征服」は可能か? (ちくまプリマー新書 61)
- 著者: 岡田 斗司夫
- 発売元: 筑摩書房
- レーベル: ちくまプリマー新書
- 発売日: 2007/06
- おすすめ度
悪の首領四分類とか、悪の組織の目的考察といった創作設定に役立ちそうなものがてんこ盛り。過労死三回を誇る脅威の独裁者「ヨミさますごろく」が切なすぎます。
- 敗者から見た関ヶ原合戦 (新書y 173)
- 著者: 三池 純正
- 発売元: 洋泉社
- レーベル: 新書y
- 発売日: 2007/05
- おすすめ度
関ヶ原古戦場を実地調査したり文献を精査することで、「戦下手な石田三成」という定説を覆してます。関ヶ原の件ではいろいろと下手を打っちゃってますけどね。それにしても小早川秀秋が狡猾すぎる。
- 大帝没後―大正という時代を考える (新潮新書 221)
- 著者: 長山 靖生
- 発売元: 新潮社
- レーベル: 新潮新書
- 発売日: 2007/07
「大正」という時代の持つイメージが根本的に覆された感じ。乃木希典の自刃に関する諸反応など知らなかったことばかりですし、夏目漱石の小説に出てくる「新青年」考察は「この解釈は知らなかった」と思わせられました。
- ネット未来地図 ポスト・グーグル時代 20の論点 (文春新書 595)
- 著者: 佐々木俊尚
- 発売元: 文藝春秋
- レーベル: 文春新書
- 発売日: 2007/10/19
- おすすめ度
今現在ネットで論点になっている20のトピックについてわかりやすく纏め上げられています。逆に言うと鮮度がすぐ落ちるということ。読むならお早めに。
- エピデミック
- 著者: 川端 裕人
- 発売元: 角川書店
- 発売日: 2007/12
- おすすめ度
緊迫感がありすぎて精神が焼ききれそうになって本を閉じ、続きが気になって本を開く、その繰り返しが500ページ続く伝染病小説にして疫学小説。