27日のことになりますが、Something Orangeの海燕さんがTwitterで桜庭一樹はハードカバーばかり出していないでライトノベルに力を注ぐべきだ。彼女なら傑作なんていつでも書ける。しかし、ライトノベルはいまを逃すともう書けなくなるかもしれない。
とぼやいてました。
桜庭一樹は昨年あたりから一般文芸方面で話題になるようになり、『赤朽葉家の伝説』は日本推理作家協会賞受賞し、直木賞候補にあがるなどめっきり「そっち方面」の人になってしまいました。
一方ライトノベルでは『GOSICK』シリーズや『荒野の恋』など、まだ終えていないシリーズを抱えています。特に『荒野の恋』。「恋の三部作」と銘打って第二作までしか出てないじゃないですか。
『荒野の恋 第二部 bump of love』が出たのは2006年1月、GOSICK長編『GOSICK〈6〉ゴシック・仮面舞踏会の夜』は2006年12月、短編集『GOSICKs 3―ゴシックエス・秋の花の思い出』2007年4月ですから、半年以上ライトノベルレーベルからはご無沙汰状態。
まだ杞憂と言える状態ですけど、古いライトノベル読みとしては、つい「赤いモルダウの悲劇」を思い出してしまって嫌な考えになってしまいます。
どういうことかというと、藤本ひとみの人気シリーズ「まんが家マリナ」の『まんが家マリナ赤いモルダウの章 シャルルに捧げる夜想曲』が、3巻まで出て中断。著者はヤングアダルトはもう書かない旨のコメントが出ていると噂されています。何せ登場人物の一人が「赤いモルダウかっ!?」と叫んだところで終わってますので、読者は「赤いモルダウって何?」状態。歴史小説分野では書き続けているので、「なんてところで止めたんだ」と思うファンが多いです。
ライトノベルは一度書けなくなると勘を取り戻すのは無謀な分野なので、はやいこと『荒野の恋 第三部』を書いて欲しいものだなあ。
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