はてなブックマークで話題になっていたG★RDIAS - 私、産みたくありません。というのを読んで、「哲学系ならその恐怖の情報を得ても妊娠出産する女性について考察して欲しかった」などと思いましたが、そういう女性がメンバーにいないんだからしょうがないのかな、と思い経験談を書くことにしました。哲学とか心理学とかいった難しい話はできませんけど。
ちなみに、私は三児の母です。三回の出産は全て経膣分娩。以下、痛々しい話が大量に出てきますので注意。
第一子の時は約24時間陣痛に苦しんで、分娩室で待たされている間に隣の部屋からの「出産した人の出血が止まりません!」なんて声を聞き、生まれるときは会陰切開を行い(それがどうなのかを考えている余裕はなかった)、生んだ後は後で800mgの出血(しかも母子手帳にそのことが記載されなかった)。しかも子宮内残留物が残って出血がだらだら続き、分娩後3ヶ月で別の産婦人科で処置。
第二子の時は約36時間微弱陣痛が続き、「これ以上待ってもしょうがないので陣痛促進剤を使いましょう」で使ったはいいけどきつい陣痛が12時間続き(ぎゃー)、会陰は勝手に裂け、マタニティブルーで「陣痛促進剤なんか使って早く出すのはわがままだったのでは」と泣く。
第三子の時も微弱陣痛(どうやらそういう体質)。バルーンと人工破水で陣痛を進めることにし、上二人のときよりはずっと楽な出産だったけど、やっぱりマタニティーブルーで「人工破水なんかして早く出すのはわがままだったのでは」と泣く(またか)。
さすがに第四子を生む気にはなれません。体力的にも経済的にもこれ以上子育てできない。
第一子のときは正直情報なんて持ってなかった。会陰切開なんて言葉を知ったのは妊娠してから。妊娠出産雑誌は基本知識を得るのには便利です。「大丈夫ですよ」と安心させるための情報だらけではあるのだけれど。
第二子以降は、正直言って自分の体なんてどうでもよくなってました。乳房は子に初期栄養を与えるためであり、腕は子を抱き上げるためにあり、背中は子を負うためにある状態。分娩後は交接による肉体的快楽は格段によくなるってのはホントでした(あくまで個人的経験)。
第三子は計画的な妊娠ではなかった(コンドームに頼るのはよくない)のですが、妊娠出産の恐怖よりは殺人タブーの恐怖のほうが勝りました。結果的には欲しかった女の子だったんですけどね(上二人は男)。
私の三度の分娩がどのくらい「まっとうでない」かどうかはわかりません。骨盤より胎児の頭の方が大きくて帝王切開になった知り合いもいますし、生まれるときに子の頭が回転して骨盤を通り抜けるんですけどそれがうまくいかずに難産になった知り合いもいます。前置胎盤で帝王切開になった知り合いもいます。低出生体重児で保育器に入った知り合いの子の話も聞きました。第一子出産の時に私より先に出産して出血が止まらなかった人は、結局1600mg出血したそうです(宗教上の理由で輸血なし。貧血気味だったけど元気そうでした)。
知り合いの既婚女性に「出産が怖いから子供はいらない」という人がいました。「案ずるより生むが易し」という諺があるにはあるですけど、よく考えたらこういう情報を得て怖くならない方がおかしいですよね。ええ、私はなんかおかしいです。
「みんなそれでちゃんと産んでいるんだから大丈夫でしょ!」。自分の体力の衰えやリスクの高まりは無視して「すべてうまくいって当たり前」を要求する、とT先生はため息をつく。
「お年になっての初産ですから、若い方の出産に比べると大変になります」なんて言ったらものすごい勢いで反発される。気に入らないことは「医療ミスだ」と騒ぎ立てて、二言目には「訴えてやる!」。
という記事がasahi.comにあるぐらいだから、妊娠出産は大変なことだという知識が共有されていないんですかね。妊娠出産専門誌はかなりキレイゴトが多いのかもしれません。
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