一時期はライトノベルで平安陰陽師ものが大量にでてたものですが、大半はシリーズ終了して、今でも続いているのは「少年陰陽師」シリーズと、この前出た『陰陽ノ京 巻の五』ぐらいになってしまったような。
本宮ことはの新シリーズ『されど月に手は届かず 魍魎の都』は、ちょうど「陰陽ノ京」と「少年陰陽師」の間に入る時代を扱ってます。中年になった保胤先生(糸目)が出てきた。
主人公は東宮師貞親王の乳母子である橘則光。悪夢にうなされる東宮のために呪詛を払おうと陰陽師に依頼したことで、源頼光とその四天王と知り合うといった筋書き。叙述トリックな部分を「もうちょっとうまく書いてほしかった」と思ってしまうのですが、読みどころは鬼との立ち回りなのでまあいいか。
安倍晴明は本人登場しないにもかかわらず存在感がありすぎます。
ストーリーとはあまり関係ないのですが、ツンツンな清原元輔の娘諾子に萌えました。女だてらに漢文を読みこなす理由として「父とともに周防に行っていた間、物語を読みたくても女向けの絵巻物など持ち合わせておらず、漢籍を読むしかなかった」というのがあって、小ネタをうまく使ってるな、と感心しました。デレ化が待ち遠しい。
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