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スパイマスター静御前

ふと思い立って『ビギナーズ・クラシックス 平家物語』を読みました。見所・山場を古文と現代文、そして解説がなされていて、そうでないところはあらすじ、という形式になってます。

平家物語は古文の教科書にあった、冒頭の「祇園精舎の鐘の声(略)」と、「橋合戦」、「宇治川」の先陣争い、あとは有名シーンの「入道逝去」や「敦盛最後」「那須与一」「先帝御入水」ぐらいなもので、あらすじですら知らない話があるものだと思い知らされました。で、あらすじしかない部分に興味を持ってしまい、「現代語訳を入手したほうがよさそうだなあ」なんて思わせる憎い設計。

で、中でも驚いたのが「土佐坊斬られ」のあたり。なんと静御前が義経に騒乱の気配を伝えたり、清盛が使っていた禿を利用したりと、なんだかスパイマスターのような役回り。悲劇のヒロインというイメージが全然ありません。

白拍子という芸能人であるゆえに権力者と近づく機会が多く、スパイ的役回りを行いがちだったんだろうとは思います。それにしてもこのシーンの静は参謀っぽくてかっこいいです。

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