asahi.com:宇宙戦艦ヤマト「ありふれた表現」 著作権侵害認めずという記事を見て、何事かと思いました。なにせ「宇宙戦艦ヤマト」といえば松本零士・西崎義展両氏で係争が起きたことでも有名なんですから。
この裁判はパチスロSANYOの「大ヤマト」シリーズに関するもの。SANYOのページで確認したら、(C)松本零士/ユウガ<「大銀河シリーズ」より>となってます。最終的に「大ヤマト零号」というタイトルでネット通販限定DVDになったもよう。
パチスロに使われている画像は松本零士絵なわけで、「宇宙戦艦ヤマト」で使われてる映像に似てるといったら似てるというかそれ言い出したら松本零士の女性キャラは全部似てるというレベル。
清水裁判長は「宇宙を戦艦が飛行することはアイデアにすぎず、著作権法の保護対象ではない」と指摘。宇宙戦艦ヤマトの外観は、艦首に発射口があることを除けば、戦艦大和のプラモデルにも似ているとして、「ありふれた表現だ」と述べた。
また、乗組員などの人物について「アニメの登場人物は顔や服装などの細部の違いで相当に異なった印象を受ける」と指摘し、著作権の侵害は認められないとした。
まだ判例集には出てないみたいです。
追記(2007/01/05):判例集に入りました。平成17(ワ)16722号損害賠償事件と平成16(ワ)13725号損害賠償事件の2つ(両方ともPDFにつき注意)。
原告は東北新社、被告は13725号の方が三共だけでなくビスティ(パチスロ機「大ヤマト」他開発)、インターナショナル・カード・システム(PS2用ゲームソフト「FEVER7」)、アニメーションソフト(「大ヤマト零号」の制作・販売)、16722号の方は三共とビスティにフィールズ(ビスティのパチスロ機を販売)になっています。
ざっと読んだところ、「宇宙戦艦ヤマト」の著作権者は西崎プロデューサー個人ではなく「オフィス・アカデミー」あるいは「ウエスト・ケープ」であり、西崎プロデューサー個人と交わした契約は意味のないもの、というのが重要。パクリかどうかってのは余談に過ぎないように思います。どうしてasahi.comはスルーしてしまったんだ?
これは東北新社にとって痛恨の判決なので、控訴するでしょう。
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